リフォームコラム REFORM COLUMN

ペットリフォーム

2022.09.06

豆知識

9月20日から26日までは「動物愛護週間」です。
イヌやネコを代表とするかわいいペットたちも、大切な家族の一員。近年は若い世代だけでなく、老後を迎えた65歳以上の高齢者や、ひとり暮らしの単身世帯もペットを持つ人が増えています。ペットが飼えるマンションも年々増えており、日本ではおよそ4世帯に1世帯がペットを飼っています。
背景には少子高齢化や晩婚化があり、ペットは心のすきまを埋めてくれる大切な存在です。
ペットブームの現代、ペットたちが快適に安心して暮らせるためにできるリフォームがいくつかあります。厳しい暑さも少し和らぐこの時期、ペットリフォームをしてみませんか?
きっと、かわいい家族との毎日がさらに楽しくなるはずです。


目次

  1. くぐり戸を付ける
  2. 壁や床を変える
  3. 脱臭機能を付ける
  4. 快適な空間をつくる

室内飼いはペットとのコミュニケーションやスキンシップが取れ、体調の変化にも気づきやすいメリットがある一方で、部屋にキズや汚れ、臭いがつくのも事実です。そんなマイナス面を緩和するリフォームを紹介します。

 

1.くぐり戸を付ける

①扉に付ける

部屋と廊下を隔てるドアに、ペット用のくぐり戸を付けると、イヌやネコが自由に家の中を動き回ることができます。くぐり戸とはドアの下部に設置された小さなペット専用の出入口です。扉の部分は柔らかな軟質系素材を採用しているものが多く、万がいちペットが首を挟んでもケガをしにくくなっています。また、扉はマグネット式でペットが通る際に簡単に開閉できるものや、ペットの往来を制限したい時に利用できるロック機能がついたくぐり戸もあり、寒い冬は冷気を遮断できます。
くぐり戸があれば、ドアを爪でカリカリと引っ掻いて傷つけることもなく、飼い主が開閉した際に挟まれてしまう心配も減ります。飼い主も楽で、安心して過ごせますね。

②壁に付ける

また、壁の中の通るくぐり戸もあり、特に猫オーナーたちに好評です。ただ、既存の壁への取り付けとなるため、取り付け位置の周囲に一定の厚みがある下地材が入っていないと設置できないデメリットがあります。本格的な施工が必要にもなるため、新築時やリフォーム時に導入するのが効率的です。

2、壁や床を変える

①壁を変える

お子さまと同様に、ペットたちもいたずらのプロです。イヌやネコが、爪で引っ搔いたりして壁紙をはがしてしまうことはよくあります。
そんな時には、人間の腰下の位置など、ペットの届く範囲までの壁を専用のクロスやパネルで強化してみてはどうでしょうか。
 クロスには様々な機能性を持つ商品があり、中でもペットがつけてしまうキズに効果的なのは「スーパー耐久性(ペット対応)」です。抗菌・防カビ・表面強化・汚れ防止と多機能で、特殊配合による表面強化で引っ掻きキズも付きにくく、衝撃にも強いほか、フィルム加工のため汚れも中性洗剤などの簡単な手入れで落とせます。耐薬品性・抗菌性にも優れています。
 病院や医療施設の車いすやベッドなどを移動する場所をはじめ、ホテルや飲食店などの商業施設でもよく使われています。
 このほか、壁やガラス窓に保護シートを貼る方法もあります。
(写真はサンゲツより)

②床を変える

ペットにとって理想は、滑りにくく弾力のある床です。現代の住宅で広く普及しているフローリングは掃除がしやすく人間にとっては快適ですが、つるつるとした表面はペットの足腰には負担となります。肉球回りの毛が伸びていたり、肉球が乾いているときは滑りやすくなります。また、ペット用フローリング商品もありますが、他の商品と比べ少し割高になってしまいます。
そのため、素材としてはクッションフロアやコルク材、毛足の短いカーペットなどがお勧めです。これらの床材には、ペットが歩く音を軽減させるメリットもあります。また、滑りにくいという点では、お年寄りの飼い主にも安心です。
中でもクッションフロアは耐久性に優れたビニール製で、クッション性のあるシート状の床材です。水拭きができるので、手入れも簡単。ハサミで切ることができ、施工も楽にできます。柄も木目や石目、レトロタイルなど様々で、お部屋の雰囲気に合ったデザインを選ぶといいでしょう。

3,脱臭機能を付ける

ペットを飼っていると、どうしても気になるのが臭いです。

動物には独特の臭いがあり、毎日一緒にいると気づきにくいですが、他所からきたお客さんからしたら耐えられない臭いかもしれません。人間の嗅覚には順応性があり、同じ臭いをしばらくかいでいると慣れてしまい、感じにくくなります。

そんな時には、壁や天井に臭い吸収する機能を持った材質を導入すると便利です。

中でも、珪藻土などの塗壁は効果的で、トイレにもよく使われているエコカラットというタイルも、同じくお部屋の臭いにも有効です。

また、消臭機能を持ったクロスもあります。表面に練り込まれた消臭剤が悪臭の原因となる臭気ガスを吸着し、分解します。そのため、臭いがこもりにくく、爽やかな空間で過ごすことができます。

臭いが気になるトイレや洗面所、キッチンにもお勧めですが、抗菌作用もあるため、お子さんのお部屋やリビングにも最適です。一般的なクロスの張替え時期は5~10年程度とされていますが、脱臭効果も約10年間持続するとされています。

4,快適な空間をつくる

ペットはストレスが大敵です。病気や老化を早める原因にもなります。少しでも快適な生活を送らせてあげるためにも、工夫を凝らしたリフォームもあります。ペットも飼い主もこれまでよりも楽しく心地よく、長生きしましょう。

①ケージの配置場所を変える

特にイヌが体を休めるケージや、用を足すトレイは、お部屋の片隅に置かれていることが多いです。スペースを取るため、動線が悪くなってしまいます。
これらケージやトレイを、収納スペースの下に配置できればスッキリします。「1、くぐり戸を付ける」で紹介したくぐり戸を使って、壁の中のスペースを寝床にする方法もあります。
 ワンちゃんも飼い主に迷惑をかけることなく、常に家族の気配を感じながらくつろぐことができます。

②キャットウォークを設ける

ネコは高い所が好きな生き物です。タンスの上の方で隠れて寝ている光景はよく目にします。
壁の上部にキャットウォークを設置すれば、ネコはさらに楽しく活動できます。
キャットウォークの配置や形もお洒落なものもあり、お部屋のアクセントにもなります。将来的には花瓶や写真を置くなどのスペースにも活用できます。