リフォームコラム REFORM COLUMN

風雨災害への備え

2022.08.02

豆知識

風雨災害の季節がやってきました。

近年、日本列島は7月から9月にかけて台風や豪雨などの災害に見舞われます。人命だけでなく、私たちが暮らす住宅にも大きな影響を及ぼします。

今回は、災害対策をテーマとしたリフォームに焦点を当てます。


目次

  1. 屋根材を変える
  2. 外壁を改装する
  3. シャッターを導入する
  4. 停電に備える
  5. メンテナンスをする

台風や暴風、竜巻の発生によって、住宅には大きな被害が心配されます。強風や豪雨によるダメージを防ぐために、さまざまな対策があります。

1,屋根材を変える


強風時には屋根材の飛散が心配されます。日本の昔ながらの住宅に多い屋根瓦や、もっとも高い部分にある棟板金、雨樋などが風によって飛ばされてしまう恐れがあります。

飛散する原因は、長年の経年劣化から屋根材が反ったり、伸縮したりして発生するわずかな隙間に強風が入り込むことによって発生します。屋根瓦の一部が飛散してしまうと、残りの部分も飛ばされやすくなってしまいます。

普段からしっかりメンテナンスしていれば、小型の台風が来ても剥がれることはありませんが、点検を怠り、設置(施工)が甘くなっていれば、風で吹き飛ばされる確率が高くなります。

屋根瓦などが落下したり、飛散すると、お住まいの外壁や窓だけでなく、家族や近隣の住宅、通行人までを傷つけてしまう恐れがあります。

 

カバー工法

屋根材を割れない性質や飛ばされにくい構造のものに変えることで被害を防ぐことができます。屋根材を変えるには、古い屋根の撤去や取り壊しが必要となる葺き替えよりも、工期や費用を抑えられる「カバー工法」という屋根リフォームが定番となっています。

既存の屋根材の上に新たな屋根材を乗せていく工法で、軒先から防水紙を敷くことで屋内への雨の浸入も防ぎます。

 

カバー工法のメリット

・短工期
・低コスト
・防音性・断熱性
・環境負荷が少ない

 

屋根の面積や人員数によって違いますが、工期の目安は、葺き替えが7~10日とされているのに対し、カバー工法は5~7日程度で済むと言われています。

このほか、廃材が出ないため環境に優しく、低コストで済む。屋根材が二重になるため防音性・断熱性が高まるといったメリットがあります。

 

カバー工法のデメリット

・屋根が重くなる
・劣化がひどいとカバー工法ができない
・選択できる屋根材が限られてくる
・瓦だと施工できない

 

その反面、屋根が重くなることで耐震性に不安を感じたり、下地まで腐食が進むなどして劣化がひどい場合にはカバー工法ができないケースもあります。まずは診断を受けてみるのがいいでしょう。

2,外壁を改装する

 

外壁は10年ごとに塗装を行うのが理想とされていますが、風雨や日光の当たり具合などによって劣化の進行状況は変わってきます。

外壁は以下の順番で劣化が進んでいきます。

光沢の低下 → チョーキング(触ると白い粉が手に付着する) → 塗膜が浮く

→ 塗膜が剥がれる → 外壁基材の露出・劣化

 

外壁の改装には次の方法があります。

外壁塗装
カバー工法
張り替え

 

外壁塗装には、美観を保つだけではなく建物の保護に効果があります。また、使用する塗料によって、耐久年数や費用が変わってきます。

近年、外壁に使われる主な塗料は次の通りです。

 

ウレタン
細部の塗装に向いているが、耐久性は低い。

シリコン
コスパが良くて汚れにくく、もっとも人気がある。

ラジカル
耐久年数がシリコンをやや上回る。

フッ素
耐久性が高い。費用は高くなる。

光触媒
雨水で表面の汚れが自然に落ちるが、費用が高い。

カバー工法は屋根と同様、既存の外壁の上に新しい外壁を覆うので、短工期・低コストのメリットがあります。ほかにも断熱性、遮音性、壁面強度の向上が見込めます。

 

張り替えはまったく新しい外壁になるため、当分はひび割れや破損などの心配がなくなり、取り外した際に内部の状況確認や修繕が可能です。

一方で、既存の外壁の処分が必要なため工事も長く、コストも高くなります。

 

 

3,シャッターを導入する

強風による被害を受けやすい住宅部位の一つが窓ガラスです。

強度の低いガラスであれば風で割れてしまうほか、強化ガラスであっても風によって飛んでくる物が直撃すれば危険です。近年は台風の接近前、ガラス片の飛散を防ぐ養生テープが品切れになるというニュースも珍しくありません。

強風や飛来物による被害を防ぐために効果的な手段が、シャッターや電動シャッターの導入です。

最近は雨戸がない一方で、シャッターが設置される住宅が多くなってきています。

ただ、防犯上の役割が大きく、シャッターは1階のみに設置され、2階の窓にはシャッターも雨戸もないケースが多いです。

2階は子ども部屋や寝室が多いだけに、強風から身を守る上で2階の窓にもシャッターを設置することは非常に効果的です。

 

4,停電に備える

強風や雷の際に心配されるのが停電です。電気がすぐに復旧する場合は問題ありませんが、地域によっては数時間から数日間も停電したままになるケースも見られます。

それには、蓄電池の設置が有効です。蓄電池には様々な種類や設置方法があり、ご家庭の使用状況に適したものを選択する必要があります。

5,メンテナンスをする

屋根も外壁も日頃からのメンテナンスをせずに放置していると、塗装が落ちたり、ひび割れが発生するなど劣化し、台風などの風雨災害の時に被害が発生する確率が高まります。

そうなると、大規模な修繕で費用も高額になるのはもちろんのこと、家族の安全も守らなければなりません。

以下のポイントを参考に、日常からの点検を怠らず、不具合がある場合はリフォームや修繕をお勧めします。

 

・屋根材にスレ、割れがある

・屋根板金が浮いている

・雨樋が外れている

・窓の立てつけ、密閉度が悪い

・窓ガラスにひびがある

・外壁にヒビがある

・外壁コーキングに割れがある

 

ほかにも、バルコニーの床排水口が詰まっていると、大量の雨が降った際に排水できず、水が室内に浸水してしまうケースもあります。

屋根などの高い所へ登ることは危険が伴うので、目視できない箇所については専門の業者に調査を依頼することを推奨します。

 

備えあれば憂いなし。

いつ起きてもおかしくない夏の災害を想定して、早めに点検・修繕をしておくことをお勧めします。

また、これらの被害に遭われた際、ご加入の火災保険が適用される場合がございます。

まずはお気軽にサーラへご相談ください。

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